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プレオルソは歯科医院に行かずとも市販品を買えばよい?

子どもの矯正治療に使われる「プレオルソ」。マウスピース型の矯正装置で扱いやすく、費用対効果が高い矯正法として、広く普及するようになりました。そんなプレオルソは、類似した製品がECサイトなどでも購入可能な場合があり、歯医者さんを介さずとも口腔周囲筋のトレーニングを行えてしまうのが現状です。

市販のトレーニングマウスピースを購入すれば、診査や治療にかかる費用を省くことができるため、費用対効果はさらに高くなるように思えます。今回はそんな通販で購入できるトレーニングマウスピースとプレオルソの違いについて、東船橋のスマイルデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。

プレオルソとは

プレオルソは、ポリウレタン製のマウスピースです。その特徴だけをピックアップすると、マウスピース型矯正「インビザライン」と同じ装置に思えてしまいますが、装着によって期待できる効果はまったく異なります。

口呼吸を改善する装置?

マウスピース型矯正のインビザラインは、歯並びの乱れを細かく整えていくための装置で「歯列矯正」にあたります。一方、プレオルソはお口周りの筋肉のバランスを整え、口呼吸を始めとした口腔習癖を改善するための装置です。舌・唇・頬の筋肉を正しく使えるようになると、歯列に適切な圧力が働き、出っ歯や受け口、乱ぐい歯などを改善することができます。

さらには、口腔周囲筋や顎骨の発育が正常に進むことで、しっかりとした土台が形成されるため、将来的な歯並びの乱れを予防することにつながるのです。プレオルソはもともと子どもの口呼吸を改善するために開発された装置ですが、お口周りの筋肉を鍛えることで、歯並び・噛み合わせの健やかな発育を手助けすることが可能となっています。

口腔周囲筋

既製品を使用する治療

子どもの矯正治療では、いろいろな種類の装置を使用します。そのほとんどはお子さんそれぞれにぴったり合うようにオーダーメイドされたもので、この世に1つしか存在していません。

一方、プレオルソは既製品を使用することから、装置の製作に手間や時間がかかりません。タイプⅠ~Ⅲの中から適したものを選び、調整を加えて使用します。そのためプレオルソの治療にかかる費用は比較的安くなっており、従来法と比較すると費用対効果が高いといえるでしょう。

プレオルソは市販されているものを買えばよい?

冒頭でも述べたように、プレオルソには類似したトレーニングマウスピースが市販されています。インターネットの通販サイトで購入できることから、わざわざ歯科を受診する必要はないように感じます。当然ですが、歯科を受診すれば、通販でトレーニングマウスピースを買うよりも高い費用がかかります。そのため費用だけを考えてもうすでに市販品を使用している方もいらっしゃるかもしれませんが、それはおすすめできません。

なぜならプレオルソのようなトレーニングマウスピースは、専門的な知識と技術を持った歯科医師でなければ、適切に取り扱うことができないからです。おそらく、全国の歯科医療従事者は、ひとりとして市販のトレーニングマウスピースを自己流に使用することに賛成しないことでしょう。

歯科医院で治療すべき4つの理由

歯科医院での治療

歯科医院を介さずに、市販のトレーニングマウスピースで子どもの歯並び治療を行うことはとても危険です。それは次に挙げるような理由からです。

理由1:正確な診断を受けていない

歯科を受診せずに通販のトレーニングマウスピースを使用するということは、そもそも歯科医師による診察を受けておらず、正確な診断が得られていない状態です。何が問題なのかもわかっていない状態でトレーニングマウスピースによる治療を始めても意味がありません。それどころかお口に不適切な力が加わって、歯並びや噛み合わせを悪くしてしまうリスクも伴うことでしょう。それはお子さんの発育にも深刻な悪影響を与えかねません。

理由2:マウスピースの選択が難しい

プレオルソは既成のマウスピースですが、3つのタイプが用意されており、さらにはロング・N・S・SSなどの種類に分かれています。タイプⅠは上顎前突/叢生/過蓋咬合/各種保定、タイプⅡは開咬症/開咬の保定、タイプⅢは反対咬合/反対咬合の保定が適応症となっていますが、そもそも歯科医師による診断を受けていない状態で、適切なマウスピースのタイプおよび種類を選ぶことは可能でしょうか?答えはNOです。その判断を正確に行えるのは、小児矯正の専門的な知識を持った歯科医師しかいません。

市販のトレーニングマウスピースは、サイズがS・M・Lの3種類で、それぞれにソフトとハードが用意されているだけなので、マウスピースの選択にはそれほど苦労はしないかもしれません。それでもはやり小児矯正に関する知識がない人が何となくの感覚でマウスピースを選ぶことは危険といわざるを得ないでしょう。また、マウスピースの選択肢が少なくなるほど、矯正効果の精度も低くなる点に注意しなければなりません。

理由3:歯科医師による調整が必要

プレオルソによる小児矯正では、既成のマウスピースを使うものの、少なからず調整が必要となってきます。プレオルソの調整は、装置を削ったり、新しいパーツを付け加えたりするような複雑なものではありませんが、矯正に関する専門的な知識が必須となっています。

一方、市販のトレーニングマウスピースは、調整を加えることができません。市販されている状態のまま使用するため、口腔内への適合度は自ずと低くなります。それは歯並びや顎の発育の異常を矯正する装置にとって、致命的な欠点といえるでしょう。

理由4:お口のトレーニングも必要

プレオルソには、唇や頬の筋肉を鍛え、舌を適切な位置に誘導するなどの効果が期待できます。それだけでも子どもの悪い歯並び・噛み合わせを改善できるのですが、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニングを併用することで、その効果はさらに高まります。MFT自体は簡便なトレーニング法で、好きな時に好きな場所で行えます。

けれども、その必要性を理解し、具体的な方法を習得するためには、歯科医師による指導が欠かせません。そういう意味でもプレオルソおよびMFTは、自己流に実践するのではなく、歯科医院での治療という形で行った方が賢明といえます。つまり、市販のトレーニングマウスピースだけを使って訓練していても、歯並び・噛み合わせを悪くしている習癖・習慣の除去は、困難と言わざるを得ません。

まとめ

今回は、通販サイトなどで市販されているトレーニングマウスピースを歯科医院に行かずに使用することの是非について、東船橋のスマイルデンタルクリニックが解説しました。通販サイトで市販されているトレーニングマウスピースは確かに値段が安く、矯正の費用対効果も最大限まで高められそうなものですが、それによって適切な治療結果が得られるかどうかはまた別の話です。

子どもの歯並びの治療は、矯正治療の中でも専門性が高く、一般の歯科医師でも判断を誤ることがあるくらいなので、歯科の知識がない人が独断で行うべきではないといえます。お子さんの発育を真剣に考えるのであれば、費用対効果だけを追求するのではなく、正確性や安全性を第一に考えた方が良いです。そんなプレオルソによる子どもの歯並び治療に関心のある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。当院はプレオルソによる小児矯正の実績が豊富な東船橋の歯医者さんです。

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院長 椎名 康雅

東京歯科大学で矯正治療認定医資格を取得し。同大学病院に勤務 平成15年にスマイルデンタルクリニックを開業 平成24年、スマイルデンタルクリニック矯正歯科/スマイルデンタルクリニック小児歯科を開業。 歯科医師のための勉強会「椎名塾」主宰。

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