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2歳で噛み合わせが深いのは大丈夫?原因と受診の目安を解説

鏡でお子様の口元を見たとき、「上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている」と気になることはありませんか。2歳では乳歯が生えそろう途中のため、噛み合わせはまだ変化していきます。ただし、深さの程度や顎の動きによっては経過観察だけでよいとは限りません。今回は、2歳で噛み合わせが深い場合の原因や受診の目安を解説します。

2歳で噛み合わせが深いのは珍しいこと?

「深い噛み合わせ」は上の前歯が下の前歯を大きく覆う状態

噛んだときに上の前歯が下の前歯を大きく覆い、下の前歯がほとんど見えないような状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」と呼びます。一般には「噛み合わせが深い」と表現されることが多い状態です。2歳のお子様では乳歯列が完成する途中にあり、歯が生える位置や顎の成長によって見え方が変わるため、深く見えるからといってすぐに異常とは限りません。

2歳前後では、奥歯を含む乳歯がまだ生えそろっていない場合があります。歯の萌出(ほうしゅつ)途中では噛み合わせの高さや前歯のかぶさり方も変化するため、一時的に深く見えることがあります。その後、乳歯が生えそろい、顎が成長する過程で噛み合わせが変化することもあります。

2歳では「今の見た目」だけで将来を決められない

子どもの噛み合わせは成長とともに変化します。乳歯列から永久歯列へ移行する間に顎の幅や高さが変わり、歯の位置も変化するため、2歳時点で深い噛み合わせがそのまま永久歯列まで続くとは限りません。一方で、骨格や口の使い方などが関係している場合は、成長しても深い噛み合わせが続くことがあります。

そのため大切なのは、「2歳だから様子を見ればよい」と一律に判断するのではなく、前歯のかぶさり方、顎の動き、歯茎への接触、顔貌(がんぼう)などを確認することです。小児期の噛み合わせは定期的に観察し、変化を追うことで治療の必要性や適切な時期を判断しやすくなります。

2歳で噛み合わせが深くなる主な原因

2歳で噛み合わせが深くなる主な原因

顎や歯の生え方による影響

深い噛み合わせには、上顎と下顎の大きさや位置関係が影響します。たとえば、下顎が相対的に小さい、下顎が後方に位置している、前歯が上下方向に深く噛み込んでいるといった場合には、上の前歯が下の前歯を覆う量が大きくなります。

また、奥歯が十分に生えていない段階では、噛んだときの高さが低くなり、前歯のかぶさりが深く見えることがあります。2歳では歯の萌出途中である可能性もあるため、現在の歯の本数や生え方を確認することが必要です。

遺伝的な骨格の特徴

顔立ちや顎の形には遺伝的な要素があります。ご家族に下顎が小さい方や噛み合わせが深い方がいる場合、お子様にも似た骨格的特徴がみられることがあります。ただし、遺伝だけで噛み合わせが決まるわけではなく、成長や歯の生え方、口腔機能など複数の要素が関係します。

口の使い方や習慣が関係する場合も

指しゃぶりなどの習慣は、続く期間や頻度、力のかかり方によって歯並びや噛み合わせに影響することがあります。ただし、指しゃぶりでは一般に前歯が開くような噛み合わせがみられることも多く、深い噛み合わせの直接的な原因とは限りません。

また、唇や舌の使い方、噛むときの顎の動きも歯列の成長と無関係ではありません。食事の際に極端に噛みにくそうにしている、口を閉じにくい、顎の動きが左右で異なるなどの様子がある場合には、歯だけでなく口全体の機能を確認することが大切です。

深い噛み合わせをそのままにするとどうなる?

歯茎を傷つけることがある

噛み合わせが非常に深い場合、下の前歯が上の前歯の裏側にある歯茎へ当たったり、上の前歯が下の歯茎に接触したりすることがあります。繰り返し強く当たると、歯茎に傷や痛みが生じる可能性があります。

歯に負担が集中する可能性

深い噛み合わせでは前歯同士の接触が強くなり、特定の歯に負担がかかることがあります。乳歯の時点では目立った問題がなくても、永久歯への生え替わり後も同じ傾向が続くと、前歯の摩耗や噛み合わせの不調につながることがあります。

ただし、2歳で深い噛み合わせがあるからといって、必ず将来問題が起こるわけではありません。成長の途中で自然に変化するケースもあるため、必要以上に心配せず、定期的に経過を見ていくことが大切です。

顎の動きを妨げることもある

前歯のかぶさりが極端に深いと、下顎を前後左右に動かす際に歯が強く当たり、顎を動かしにくくなる場合があります。成長期の子どもでは顎も発達しているため、動きに不自然さがないかを確認することも重要です。

一方で、深い噛み合わせだけを理由に2歳で積極的な矯正治療を始めるとは限りません。治療の必要性は、噛み合わせの程度、歯茎への接触、顎の動き、成長の見通しなどを踏まえて判断します。

2歳の深い噛み合わせはいつ歯科医院に相談すべき?

2歳の深い噛み合わせはいつ歯科医院に相談すべき?

気づいた時点で一度確認してもらうと安心

2歳の深い噛み合わせが気になった場合、痛みなどの症状がなくても、一度歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。2歳で矯正治療が必要という意味ではなく、現時点の状態を記録し、その後の変化を追えるようにするためです。

小児歯科の診察では、歯の生え方や前歯のかぶさり、顎の位置、口の動きなどを確認します。同時に虫歯の有無や歯磨きの状態もチェックできるため、噛み合わせだけでなくお口全体の健康管理につながります。小児歯科では乳幼児期から継続的に口腔内を評価することが大切です。

早めに受診した方がよいサイン

上の前歯が下の前歯を完全に隠すほど深く噛んでいる、下の前歯が歯茎に当たって傷ができている、噛むと痛がる、顎を動かしにくそうにしている場合は早めに相談してください。また、上下の顎の位置関係が大きくずれて見える、顔の左右差が目立つ場合も確認した方がよいでしょう。

転倒などで歯や顎をぶつけた後から噛み方が変わった場合も受診が必要です。

経過観察も大切な「対応」のひとつ

診察を受けた結果、すぐに治療せず経過観察になることも少なくありません。乳歯が生えそろう過程や顎の成長を見ながら、一定の間隔で噛み合わせを確認します。必要であれば永久歯への生え替わり時期まで継続して観察し、適切な時期に矯正治療の必要性を検討します。

2歳の段階では、将来の歯並びを正確に予測することはできません。だからこそ、現在の状態を把握し、成長に伴う変化を見逃さないことが重要です。心配な点がある場合は、自己判断で長く様子を見るより、定期健診の際に噛み合わせについて相談してください。

まとめ

2歳で噛み合わせが深く見えても、乳歯の生え方や顎の成長によって変化するため、必ずしもすぐに治療が必要とは限りません。ただし、歯茎に歯が当たる、痛がる、顎を動かしにくそうといった症状がある場合は早めに歯科医院で確認してもらうことが大切です。気になる段階で歯科医院に相談し、成長に合わせて定期的に経過を確認していきましょう。

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院長 椎名 康雅

東京歯科大学で矯正治療認定医資格を取得し。同大学病院に勤務 平成15年にスマイルデンタルクリニックを開業 平成24年、スマイルデンタルクリニック矯正歯科/スマイルデンタルクリニック小児歯科を開業。 歯科医師のための勉強会「椎名塾」主宰。

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