子供の歯並びのためにできる食事の工夫
子供の歯並びは遺伝によって決まる部分もありますが、生まれてからの習慣や習癖によって変わる部分も少なくありません。とくに食事の内容や食べ方は、子供の歯並びを良くすることもあれば悪くすることもあるため、十分な注意が必要です。今回はそんな子供の歯並びと食事の関係や注意点などを東船橋のスマイルデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
子供の歯並びと食事の関係
歯並びは、歯と顎の骨によって規定されるものなので、エネルギーや栄養素を得るための食事とどんな関係があるのかよくわからないという方が多いことでしょう。そこでまずは歯並びの土台となる顎の骨について考えてみましょう。
顎の発育は食習慣で変わる?
近年、顎が小さい子供が増えてきました。それは食の欧米化によって、あまり噛まずに飲み込める料理を食べる機会が増えてきたからです。子供の骨格は、強い刺激や過重が加わるほど発育も良くなります。それは咀嚼機能を担う顎骨も例外ではなく、毎日やわらかい料理ばかり食べている子供ほど、顎が小さく、未発達となりやすいのです。その結果、親知らずを除く28本の永久歯をきれいに並べるための土台も貧弱になることを意味します。
お子さんの食生活は大丈夫ですか?
もしもお子さんが毎日フライドポテトやふわふわのパン、やわらかいハンバーグばかり食べている場合は注意が必要です。そのままの食生活を続けていると、顎が十分に発達せず、歯並び・噛み合わせが悪くなる可能性が高まります。それは口元の見た目が悪くなるだけでなく、咀嚼筋も衰えて、噛む機能も弱くなっていきます。さらには、顔貌も左右で非対称になったり、口をきちんと閉じることができず口呼吸が促されたりするなど、お子さんの健やかな発育を阻害することになるのです。
歯並びの乱れを予防できる食事とは
食事の内容や習慣が歯並びを悪くする原因になることはご理解いただけたかと思いますが、どうすれば出っ歯や乱ぐい歯、受け口といった歯列不正を予防できるのかも気になることでしょう。基本的には、お子さんの食事において、次の4つのポイントに配慮することで歯並びの乱れを予防しやすくなります。
【ポイント1】和食中心の食事にする
上述したように、欧米の食事はあまり噛まずに飲み込める料理が多いですが、和食はしっかりと咀嚼しなければ飲み込めないものばかりです。例えば、きんぴらごぼうや筑前煮、五目ご飯などは、噛み応えがあって、咀嚼回数も自ずと多くなります。
【ポイント2】調理の仕方に配慮する
同じ素材を使っても、調理の仕方を工夫することで、噛み応えのある料理は作れます。具体的には、食材を普段より大きめにカットしたり、加熱時間を抑えて歯応えを残したりすることで咀嚼回数は増えます。もちろん、お子さんの年齢によっては歯が十分に生えていないこともあるため、それぞれの成長に合わせて調理の方法も変えていく必要があります。
【ポイント3】噛み応えのあるおやつを選ぶ
西洋のお菓子やスイーツはやわらかく、あまり噛まずに飲み込めることに加えて、使用している砂糖の量も多いことから、お子さんのおやつにはあまりおすすめできません。お子さんの歯並びの乱れや虫歯を予防するのであれば、干し芋やおせんべい、かりんとうといった噛み応えのある日本のお菓子がおすすめです。
【ポイント4】栄養素をバランス良く摂取する
子供の歯並びの乱れを予防する上では、食事から摂る栄養素のバランスも考える必要があります。歯や歯周組織、顎の骨の成長・発育を助ける栄養素を積極的に摂取することで、しっかりとした土台と歯並びを作りやすくなります。具体的には、カルシウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、タンパク質を毎日の食事でしっかり摂取することが大切です。それぞれの栄養素が豊富に含まれる食材は以下の通りです。
- カルシウム:牛乳、ヨーグルト、しらす、ひじき
- ビタミンA:豚レバー、ほうれん草、ニンジン、うなぎ
- ビタミンC:ブロッコリー、さつまいも、キウイ、ミニトマト
- ビタミンD:さんま、ぶり、サケ、きのこ類
- タンパク質:大豆製品、牛乳、肉、魚、たまご
食事中に気をつけたいこと
子供の歯並びの乱れは、食事の姿勢や噛み方によっても予防しやすくなります。
きちんと座った状態で食事する
食事をする時には、背筋を伸ばしてきちんと座ることが大切です。イスに浅く座って猫背になったり、足を床につけずにブラブラと動かしたりしている状態だと、しっかりと噛むことが難しいです。咀嚼回数も自ずと少なくなり、口腔周囲期の発達が遅れます。その結果、顎が十分に発育せず、歯並び・噛み合わせも悪くなっていきます。ですので、お子さんの食事中の姿勢・体勢は以下の点に配慮するようにしましょう。
- イスに深く腰掛ける
- テーブルに真っすぐ向かう
- テーブルの位置は胸とへその間が望ましい
- テーブルとの間は拳ひとつ分空ける
- 足を床につける
- 姿勢を正す
くちゃくちゃ食べはNG
少し前から「クチャラー」という造語が広く知られるようになりました。食べ物をクチャクチャと音を立てながら噛む人を指す言葉で、周囲の人に不快な思いをさせてしまうことがあるため注意が必要です。そんなくちゃくちゃ食べの主な原因は、口呼吸や口腔周囲筋の衰えであることから、将来的には歯並び・噛み合わせも悪くなることが予想されるため、早い段階で改善するのが望ましいです。食べ物を噛む時は口を閉じて、しっかりと咀嚼することを習慣づけましょう。
まとめ
今回は、子供の歯並びのためにできる食事の工夫について、東船橋のスマイルデンタルクリニックが解説しました。食事の内容や食事の仕方が悪いと、口腔周囲筋が鍛えられず、顎の発育も進まないため、親御さんの配慮が必要となります。自然に咀嚼回数が増える食事を心がけ、食事の仕方も毎日観察しながら適宜、修正してあげてください。
そうした毎日の努力がお子さんの健やかな顎・歯並び・全身の発育へとつながるのです。お子さんの歯並びについてもうすでに気になる症状が現れている場合は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。当院は、東船橋で子供の矯正治療に力を入れている歯医者さんです。