赤ちゃんの歯ぎしりを放置するリスクと予防法

大人の歯ぎしりにはメリットがなく、お口の健康を害する原因となるため、早期に改善するのが望ましいです。一方、赤ちゃんに歯ぎしりが見られた場合はどうすべきか、悩まれている親御さんも多いことでしょう。赤ちゃんが歯ぎしりするのはなぜか、何もせずに放置していても問題はないのかなど、疑問は絶えないものです。
そこで今回は、赤ちゃんの歯ぎしりの原因や放置するリスク、予防する方法などを東船橋のスマイルデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
赤ちゃんが歯ぎしりする原因
そもそも赤ちゃんの歯ぎしりは正常なのか、異常なのか。結論からいうと、赤ちゃんには正常とも呼べる生理的な歯ぎしりが認められることがあります。具体的には、上下の前歯が生え始める頃から、乳歯が生えそろう3歳頃まで継続します。そうした赤ちゃんの歯ぎしりが起こる原因としては、主に以下の4つが挙げられます。
- 歯の生え始めにはむず痒さや違和感を覚えるから
- ストレスを解消するため
- 歯の位置を確認するため
- 噛み合わせを整えるため
- 顎の筋肉を鍛えるため
当然ですが赤ちゃんが自発的に噛み合わせを改善したり、顎の筋肉を鍛えたりする目的で歯ぎしりを行っているわけではありません。結果として、赤ちゃんの歯ぎしりにはそのような効果が期待できるのです。また、上記以外でも赤ちゃんは強いストレスを受けていたり、体に何らかの異常が生じたりすることで、歯ぎしりすることもあります。
赤ちゃんの歯ぎしりを放置するリスク
基本的に、赤ちゃんの歯ぎしりの多くは生理的な現象であることから、無理にやめさせる必要はありません。ただし、赤ちゃんの歯ぎしりがいつまで経ってもなくならなかったり、過剰な歯ぎしりによって実害が生じたりしている場合は、適切に対処する必要があります。そのような異常な歯ぎしりは、放置すると以下のようなリスクが発生するため、十分注意しなければなりません。
【リスク1】乳歯がすり減る
歯ぎしりによって歯が摩耗する現象を咬耗(こうもう)といいます。赤ちゃんであっても歯ぎしりする時の力は強く、その習慣が長期に及ぶことで歯の咬耗が起こります。その結果、冷たいものがキーンとしみる知覚過敏の症状が生じやすくなったり、むし歯リスクが高まったりします。
【リスク2】乳歯が欠ける・折れる
赤ちゃんの歯ぎしりによって乳歯に過剰な負担がかかると、咬耗だけにとどまらず、乳歯が欠けたり折れたりすることがあります。乳歯の破折は、歯の機能そのものに深刻な影響をもたらすため軽視することはできません。
【リスク3】歯茎から血が出る
赤ちゃんの歯ぎしりによる影響が乳歯を支える歯周組織にまで及ぶと、歯茎から血がでることがあります。重症例では、歯茎や歯槽骨による支持作用が弱まって、乳歯がグラグラ動揺するようになることもあるため要注意です。
【リスク4】顎関節に大きな負担がかかる
赤ちゃんの歯ぎしりは、噛む機能の支点となる顎関節にまで深刻な影響をもたらすことがあります。赤ちゃんの噛む力は、大人と比較すると極めて弱くはあるのですが、顎の骨や顎関節もまだまだ未成熟であるため、歯ぎしりが長期に渡ることで顎関節症のような症状を引き起こす可能性も否定できません。
赤ちゃんの歯ぎしりはいつまで放置してもOK?
赤ちゃんの歯ぎしりは、乳歯列が完成する3歳くらいまでは放置しても問題ないといえます。それまでは歯並びや噛み合わせを整えたり、顎の筋肉を鍛えたりするなど、歯ぎしりによって得られるメリットの方が大きいといえるからです。もちろん、3歳になるまでの間でも乳歯が過剰に摩耗する現象が見られ、歯が折れる、歯茎から血が出るなどの症状が現れた場合は、一度、歯医者さんに診てもらうことをおすすめします。
また、赤ちゃんの歯ぎしりが4歳や5歳になっても見られる場合は、迷わず歯医者さんの診察を受けるようにしてください。
赤ちゃんの歯ぎしり予防法
最後に、赤ちゃんの歯ぎしりを予防する方法を紹介します。
【方法1】歯固めを使う
歯固めとは、赤ちゃんの歯ぎしりや歯ぐずりを予防、あるいは改善するためのアイテムです。いろいろな形をした歯固めが販売されており、赤ちゃんが楽しみながら使用できます。歯固めを噛むことでストレスが発散され、歯や顎の発育を促す作用も期待できることでしょう。
【方法2】ストレスを軽減してあげる
赤ちゃんが強いストレスを受けないよう、優しい声掛けや抱っこによるコミュニケーションをしっかりとってあげるようにしてください。十分な睡眠がとれるような住環境を整えることも赤ちゃんのストレス軽減には重要です。
【方法3】歯科医院のサポートを受ける
赤ちゃんの歯ぎしりをしっかりと予防したい。歯ぎしりが治らなくて困っている。そんな時は歯医者さんに相談しましょう。東船橋のスマイルデンタルクリニックのような赤ちゃんの歯科診療にも力を入れている歯医者さんなら、歯ぎしりの予防方法はもちろんのこと、それ以外の乳幼児期におけるお口の悩みにもきちんと対応できます。赤ちゃんとのコミュニケーションに慣れたスタッフが優しくサポートいたします。
噛み合わせが悪い時は矯正が必要になることも
歯並びや噛み合わせが極端に悪いことで歯ぎしりが誘発されている場合は、小児矯正が必要となることもあります。これは単に歯ぎしりを改善するために行う矯正治療ではなく、お子さんの歯並びや噛み合わせ、顎の発育を正常化することを主な目的としています。お子さんが将来、悪い歯並びや噛み合わせで辛い思いをしないためにも、小児矯正を適切な時期に始めた方が良いこともあるのです。
まとめ
今回は、赤ちゃんの歯ぎしりの原因や放置するリスク、歯ぎしりを予防する方法について、東船橋のスマイルデンタルクリニックが解説しました。乳歯が生え始めてから生えそろうくらいまでの期間は、赤ちゃんの生理的な歯ぎしりが見られやすいです。多くのケースでは、何もせずに放置していても問題ありませんが、歯茎から血が出ることが多くなったり、歯が折れたりする場合は、生理現象の範囲を逸脱している可能性が高いため、まずは歯医者酸に診てもらいましょう。赤ちゃんの歯ぎしりは、歯固めを上手に活用したり、ストレスを軽減してあげたりすることで、予防しやすくなります。

院長 椎名 康雅

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